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カテドラル廊下の家

The Cathedral Hallway House

Description

設計の主眼は、空や自然光の何気ない美しさを住まいの空間体験に織り込むことでした。

 

敷地は東寺の近くの建て込んだ住宅街の旗竿地。そこに建つ築90余年の既存木造古家(町家)の外皮(外壁と屋根)だけを残し、その内部にさながら新築のように造り込まれた住宅です。

施主のご要望は伝統的町家の魅力ある外観を持つ、現代の住まい。ご夫婦と子供二人の4人家族が安全・快適に過ごせるよう、特に耐震性と自然採光に重きを置いたデザインとなりました。

既存の町家は、それまで十年以上空き家であったため傷みが激しいことに加え、下階は日中でも極端に暗い状態でした。傷み古びた和風の内装も施主一家の生活様式や好みに合いません。そんなわけで、思い切った構造補強を含む全面改修を提案しました。既存の町家は外皮と最小限の柱梁のみを残して内部はほぼ全て撤去し、新たにコンクリートのベタ基礎を打っています。

新しい1階は、幅の狭い耐震壁を外壁沿いに多く分散設置して、奥の坪庭がどこからでも見える一体のLDK空間としています。

新しい2階は、寝室、シャワー室、便所、中廊下などを含む全部新しい間取りで間仕切り壁が増え、耐震性も大幅に向上。

勾配天井となったため、主寝室や中廊下では、曲がり丸太梁があらわしで見えています。

2階の中廊下と階段室からは、高窓や天窓を通して空が眺められます。(中廊下突き当たりの)外壁に穿った高窓により、家の中心部まで自然光が入ります。この中廊下に居ると高い勾配天井と高窓から入る自然光によって高揚感がもたらされる事もあり、「カテドラル廊下」とも呼べそうです。思いがけず、施主ご主人のお気に入りの空間となりました。

(写真:杉野 圭 特記ない限り)

建築の概要

木造2階建住宅

(全面改修) 

​所在地

京都市内,

​日本国

​規模

床面積

107 平米

(1階+2階)

カテドラル廊下の家

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