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脳神経の多様性に対応したデザイン (2): 照明

脳神経に自閉スペクトラム症などの変異がある方々(Neuro-Divergentの頭文字をとりNDと表記)は、眩しい光や、健常者には感じられない人工照明のチラつき(フリッカー)に敏感な方が多いようです。そのようなNDの方々にも優しく、チラつかない、柔らかな拡散光の照明にする事。これは脳神経の多様性に対応したデザインの基本ともいえます。


チラつく照明の健康への影響

蛍光灯は通常1秒間に100から120回チラつくことから、NDの方々に感覚の過負荷を引き起こすことが多いようです。健常者でも頭痛や目の疲れ、めまいや吐き気などを感じる事があります。


実は、蛍光灯に限らず、コンセントなど交流電源につながった人工照明は全て、ある程度チラつきます。白熱球は比較的その度合いが少ないものの、昨今はあまり実用的でなくなりました。通常のLED灯のチラつきは蛍光灯とあまり変わらないぐらいです。


ではどうすれば良いのでしょうか。


昼間の照明は、眩しくない間接の自然光を最大限に活用することができます。北に面した窓からの採光や、自然光を屋外や室内の表面で反射させるなど、拡散してから空間の中へ取り入れます。


蛍光灯の使用は避けます。特に頭上(天井)から下向きに照らす器具。その代わり、間接照明で空間全体の明るさを確保しながら、フロアランプや壁面ブラケット、テーブルランプなどで補います。光源の仕様はチラつきなしのLEDとします。もし可能であれば、蛍光灯は無くし、全てチラつきなしLEDに交換します。


色をつけたり、光度を抑えた照明を取り入れれば、より落ち着ける環境をつくれます。


LED照明器具を選ぶ際に大事な指標が2つあります。


1) チラつき周波数:1秒間に何回チラつくか

2) チラつき度合い:1回のチラつきサイクル内の明るさ落差を明るさ最大値で割った値


チラつき周波数が高いほど、良い。

チラつき度合いは低いほど、良い。


周波数100から120ヘルツだと、度合いが10%でも健康に影響が出る事があります。


従って 度合い5%以下が健康には望ましいようです。


周波数が1250ヘルツ以上だと、度合い100%でも健康への悪影響はないと言われていますが、感覚過敏なNDの方々にも当てはまるかはわかっていません。


可変色LEDやPWM (パルス幅変調式) 調光LED照明は、チラつき度合い100%なので、要注意です。周波数が1250ヘルツ以上のものが望ましいのですが、そうでなければ、念のため採用は控えた方が良いかもしれません。


照明デザインの基本的な留意点:まず睡眠の質を優先する

快適な照明のデザインには、チラつきなしの灯具を使う以外にも、留意点がたくさんあります。しかし、健康の基礎は睡眠ですから、まず優先すべきは睡眠の質に関わる点になります。以下が基本的な留意点です。


簡単に言うと、自然の光環境におおよそ近づけるように、昼間と夜間で異なる照明パターンがあって然るべき、ということになります。


つまり、日没後の人工照明はなるべく減光します。もし可能なら月の光を取り入れる。月光は極めて低光度です。夜間はまぶしい光源に眼がさらされないようにします。スマートフォン、タブレット、コンピュータ、TVなどの電子機器なども、スクリーンの明るさを落としたり、使用時間を制限するなどの工夫が必要。夜間の照明には、頭上の光源ではなく、なるべく目の高さより低い位置の眩しくない光源を使います。色温度に関しては、低めの3000ケルヴィン以下が適していると言えます。


昼間の人工照明は、あくまで自然採光を補うもの。感覚過敏などの問題が生じない範囲であれば、ある程度の頭上光源が使用可能と言えます。色温度は昼間の太陽光に近い5500から6000ケルヴィンが可能です。

Kyoto Machiya indirect lighting: cove lighting

町家リノベーション オープンプランLDK 間接照明
間接照明の例:「カテドラル廊下の家」のオープンプランLDK

参考資料


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